第31章 ※アンケート投票第1位 俺の精いっぱい 長男
「はー、美味しかった!チビ太くん、ごちそうさま!」
「おう!またいつでも食いに来いよ!」
俺は食べ終わり立ち上がった時に気づいた。
ヤバい。
プレゼント買って金欠だった。
主ちゃんの前なのにまたツケてもらわねーと。
「チ、チビ太くん…あのさ、今日も」
「あ?今日はいらねーよバーロー」
「え?なんで!?」
「言っただろーが。主ちゃんへ誕生日プレゼントだって」
(な…なんだと!?)
コイツ、チビでハゲで変なヒゲ生えてる癖に、めちゃくちゃいいヤツじゃん!?
「そんな、わたし悪いから払います!」
「てやんでぇっ!いいってことよ!その代わり、また二人で食いに来いよな!」
「チビ太くぅん!ありがとなーー!じゃあついでに今までのツケも!」
「おめぇはもう少し遠慮ってもんがねーのか!?」
チビ太のナイスな計らいで、俺のお財布事情は主ちゃんの前でなんとかごまかせた。
のれんの外側に出ると、主ちゃんは見えなくなるまでチビ太に手を振っていた。