第31章 ※アンケート投票第1位 俺の精いっぱい 長男
おそ松視点
意味も分からずトド松に店から追い出された。その後も何軒か入ったけど、入るたびすぐ外に連れ出される。
さっきからずっとその繰り返しだ。
五軒目を出たところで俺は限界になった。
「なぁ、お兄ちゃん疲れたんだけど。何なの?お前一体何がしたいの?すぐ店出るから何も選べねーし」
「…して」
「あ?」
「もう…いい加減にして」
なんか、産まれたての子鹿みたいにプルプルし始めた。
「何がだよ?いい加減にして欲しいのこっちだっつーの!」
俺が少しイラついた口調で話したら、トッティが物凄い形相になった。目ん玉ひんむいて怒鳴り出す始末。
「もういい!!もう知らねー!!ボクのお気に入りの店、ことごとく下ネタ連発して出禁にすんなし!!勝手に一人で選んで!?大人のデパートにでも行って、縄なり蝋燭なり電気ドリルなり買って二穴責めでもしてーー!!!!じゃあねっ!!」
「俺SMはまだ手出してねーし!」
「うっせーーバカッ!!」
くるりと俺に背を向け、駅に向かって歩きだす。
「おい、トド松!」
トド松は振り返ることなく、背中がどんどん小さくなっていった…。
(んだよ。あいつマジで帰っちゃったの?)
俺は辺りを見回した。
…こんな、一軍だらけの恐ろしい場所で、一人になってしまった…。
(もう、帰ろっかな)
でも。
あいつを喜ばせたいって思って、ここまで来たんだよな。
いいとこも見せたいし…。
(チッ、長男なめんじゃねー…)
俺は、さっき入った店をかたっぱしから一人で回り、プレゼントを選んだのだった。
・・・