第31章 ※アンケート投票第1位 俺の精いっぱい 長男
「それでしたら、限定フレグランスのこちらのボディークリームはいかがですか?若い女性にとても人気ですよ」
店員は、試供品をおそ松兄さんの手の甲につけてのばす。
「あー…」
(その無表情やめてっ!?わかんなくてもとりあえず取り繕って!!)
とっさにボクもお願いして腕に塗ってもらった。
「わぁ、いい香りですねー!お花の香りかなぁ?」
「ありがとうございます。フローラルジャスミンが時間と共にムスクとバニラに変化していき、移り変わりを楽しめる商品となっております」
「ステキだなぁ!ねえ兄さんこれにしたら?」
正直、ボクは詳しいふりしてほとんど分からないから、こういうのは全て店員の受け売りである。
「え?オーラルジャストミーでムスコがマラに変化?ちょっと何言ってるかわか」
「あーそういえば急ぎの用事がーー!!」
「お、お客様!?」
ボクは、兄さんの首が絞まるのを無視し、フードを思いっきり引っ張りながら店を出た。