第30章 アンケート投票第2位 注文の多い猫松 後編
「もう、わたしのよりお高いお耳を着けちゃって。ホントに猫が大好きなんだね?」
こちょこちょこちょこちょ。
満遍なく猫耳を両手で愛でる。
「ひあぁっ!?やめろって!お願い!やめてくださいぃぃ!!」
「え?だってこれオモチャでしょ?何でそんなにくすぐったがってるの?」
「み、耳は弱いんだよっ!!ああぁぁあ……!!」
顔を真っ赤にしながら悶える一松くん。
猫耳を着けている部分が動くからくすぐったいのかもしれない。
「かーわいーい!」
「ひやぁぁあーー!!」
一松くんが逃げないよう、馬乗りになって猫耳のもふもふを楽しむ。
夢中になりコシコシしてあげると、切なそうに目が潤んできた。
ちょっと、おふざけしちゃおう…。
「一松子や、近うよれ!」
「お、お戯れを…!!うぁっ…!」
「もそっと近う!ういやつじゃのぉっ!」
ギュッと抱きついてもふもふを続行する。
猫耳の生え際を指でくすぐれば、一松くんは涙目になりながら懇願する。
「おやめくだされー!てかもうむりぃ!ホントにやめてえぇぇえーー!!」
こんなに女の子みたいに感じる一松くんを初めて見た。
新たな一松くんを知ったような気がする…。
普段の復讐も兼ねた、猫耳悶え責めは、一松くんがピクピクと痙攣して気絶するまで続けられた。
・・・