第30章 アンケート投票第2位 注文の多い猫松 後編
主人公視点
固く閉じていた瞼を開くと、一松くんが満足そうに私を見つめていた。
気持ち良さに没頭していたさっきの自分が恥ずかしい。
快感を与えられ続けた身体は鉛のように重い。
ベッドに身体を預けながら息を整えていると、一松くんに抱き起こされた。
「おい、なに休んでんの?」
「え…?」
「次はオマエがフェラする番」
「ん…まって…」
ベッドに座る一松くんと、向かい合う姿勢でぺたりと座る。
ふわふわと漂うような意識の中、一松くんを見つめた。
一松くんも、わたしとお揃いで猫耳をつけている。
今日は二人で、猫になりきってしたかったのかな?
「かわいい…」
そっと猫耳を撫でると、一松くんがビクッと肩を震わせた。
「あれ?」
今、この猫耳動いたような?
「こ、これは、壊れやすいから触んな!」
「ちょっと待って」
顔を真っ赤にして後じさりする一松くんをすかさず捕まえる。
「すごいっ、よく出来てるね?そういえば、脳波に反応して動く猫耳ってあったっけ」
「ん…うっ…や、やめろって!」
猫耳の裏を、本物の猫を撫でる時のようにくしゅくしゅしてあげると、またピクピク耳が動いている。
イったばかりで鈍感だった思考が、あまりの可愛さに冴えてきた。