第4章 三男とオモチャ
「なんか感動!ここでチョロ松くんは寝たりゴロゴロしたりしてるんだねー」
「あははっ!寝るのとゴロゴロは殆んど同じ意味じゃない?」
主ちゃんはソファーにちょこんと座り部屋を見渡している。
そして、彼女が身体を少し動かすたびに…
(はあーーーーん!!!!何これ何この香り!?部屋がまるで高原の花畑ーーー!!)
ラベンダー?ローズ?花の種類よく分かんないけど、そんな雰囲気のかぐわしい香りが部屋に漂っている。
「お茶持ってくるから少し待ってて」
「あ、じゃあケーキ買ってきたから一緒に食べよう?お皿とフォーク借りてもいいかな?」
平静を装い僕が部屋から出ようとすると、主ちゃんがお土産を手渡してくれた。
「わぁ、ありがとう!美味しそうだね!」
「1人じゃ大変だよね。手伝うよ?」
「い、いやいやいや寛いでてよ!今日はお客さんなんだから!」
半ば無理やり部屋に戻して、僕は階段を降りた。
普段おもてなしなんてしないから少し手間取りつつ、お茶を淹れ、皿にケーキを乗せ、フォーク二本をお盆に準備。
そして…しばらく誰も開けていないであろう、押入れの奥深くから僕が取り出したのは…
ウィーーーン
(よし…電池オッケー)
ヤラシく振動するピンクローター…。