第25章 傷ついたキミの瞳に、青く小さな恋の果実を… カラ松
主人公視点
カラ松くんが意味不明な発言をして家を飛び出した後、わたしはミウを抱きしめたまま再び眠りについてしまっていた。
自覚していなかったけれど、相当疲れが溜まっていたみたいだ。
目覚めると、腕の中にミウの姿は無く、時計の針は13時を指していた。
(起きないと…)
ぐわんぐわんする頭を押さえながら、ベッドに手をついて立ち上がる。
トイレに行こうと寝室のドアを開ける。と、何やらキッチンの方からいい匂いが漂ってきた。
カラ松くんが帰っていたようだ。
甘い匂いに誘われながらキッチンへ。
人影を見つけ声をかける。
「おはよー」
「フッ、眠り姫はようやくお目覚めかい?」
「いい匂いで起きちゃった……ってその格好どうしたの!?」
謎のファッションを見たせいで、まためまいに襲われソファーにへたり込んだ。
おきまりの顔つきタンクトップに短パン。
エプロンはお手製らしく、胸元に松マークをかたどった緑のスパンコール。そして、エプロン中に散りばめられた青のスパンコールは、見ているだけで目が疲れる。
「フッ、このエプロンはメイドインオレだ。それよりも、何を作っているか気になるだろ?」
「気になるけれど、スパンコールで目がチカチカしてまた頭痛くなっちゃった。ちょっと横になります」
「えぇーー!?」
ソファーで毛づくろいしているミウの横に、ゴロンと寝転んだ。