第25章 傷ついたキミの瞳に、青く小さな恋の果実を… カラ松
「ハニー、寝覚めはどうだ?」
「フーーッ!!」
「あいたーっ!」
なぜだっ!?この猫っ!!
話しかけただけじゃないか!
何も引っ掻くことはないだろ!?
オレのカッコいい顔に引っ掻き傷が三本もついてしまった。
ヒリヒリと痛む傷をを手で押さえていると、主は「コラ」と一言だけ叱り、子猫を抱きしめた。抱きしめて欲しいのはオレの方だ。
「う…ん、なんだか頭が痛い…」
「風邪引いたのか?」
主は額を手で押さえる。
「ううん。熱はないみたい」
「ならば、疲れだな」
「そういえば、昨日はほとんど休まないでパソコン操作してたから…」
「そうか…つまり、眼の疲れか!」
オレは颯爽とベッドから起き上がった。
「急に起き出してどうしたの?」
「ちょっと出かけてくる。主は休んでいるといい」
「今から?まだ朝だよ?」
起き出そうとするハニーを優しく寝かせ、毛布をかけながらカラ松スマイルをプレゼントする。
「朝摘みの……フッ、きっとみずみずしくてうまいはずだ!」
「え??」
「主。傷ついたキミの瞳に、青く小さな恋の果実をプレゼントしよう」
「う…その台詞聞いたら頭痛が…それになんだか吐き気も…!」
「おおぃ!マジか行ってくる!!」
なんということだ。会話するだけで頭痛と吐き気だと?
そんなになるまで身体を酷使していたというのか。
寝癖を一瞬で直し、パーフェクトファッションに着替えると、オレは急いで家を飛び出した。
(ハニー!すぐ戻るから、少しの間待っていてくれ!!)
ぴゅーんと猛ダッシュで目的地へと向かった。
・・・