第24章 ※青りんごサワー チョロ松
なんとかチョロ松くんを宥めたまではいいものの——
「ヒック…うーろんはいー!!おかわりー!!」
チョロ松くんはすっかり出来上がってしまっていた。
「ははははっ!おにーさん、俺もビールー!」
「あ、じゃあわたしは梅酒ソーダ割りで」
店員さんはニコッと笑いながら返事をすると、パタパタと忙しそうにお皿を下げて行った。
兄弟二人共、あまりお酒は強くないようだ。
「ったくよぉ〜!長男さん自重してよ〜!なーんで邪魔するかなぁ〜。主ちゃん今日生理なんだからさ〜!安静第一なの〜!」
「ちょっと!なんてことを!?」
生理なんて声高らかに発表されて、恥ずかしくない女性はいるだろうか?
お酒とは別の原因で顔が一気に紅潮する。
「あらーそうなのー?そりゃまたチョロ松くんざーんねーん」
ガハハと笑うと、隣に座っているおそ松くんがわたしのお腹を大きな手でさすりだした。
「あ、あの!?おそ松くん…?」
「はい主ちゃーん、いたくなーいいたくなーい。痛いの痛いのカラ松の脳内にとーいっだあぁぁーーー!?」
目の前から灰皿が飛んできて、おそ松くんのこめかみにめり込んだ…。
(痛いのおそ松くんに飛んでいった…)
「ひとの…女に…ヒック…さわんじゃねー……」
———バタンッッ!
二人同じタイミングでテーブルに突っ伏してしまった。
(だ、大丈夫かな?…しょうがないなぁ、もう)
食べ散らかったお皿を片付ける。すると、人影が見えて顔を上げた。
「まったく、目も当てられないダメな六つ子ザンスね〜」
空の一升瓶を持ったイヤミさんが遊びに来た。