第24章 ※青りんごサワー チョロ松
赤塚駅の改札口で合流した僕達は、駅前のダイニングバーに入ろうと覗いたけれど、生憎の臨時休業だった。
チェーン店の居酒屋も貸切でダメ。
となると…
「雰囲気はアレだけど、兄弟で行きつけの居酒屋があるからそこに行こうか?」
「うん!!」
歩きながら、主ちゃんがさりげなく僕の腕を組んできた。
こういう何気ないスキンシップって、彼氏の特権って感じでサイッコーだよね!!
しかも胸が当たってるし!
布越しに彼女の乳房があると思うだけで、僕の下半身が燃えたぎってきた。
だけど今夜はセックスできないんだ。ごめんよ、僕のかわいい息子よ。
あとでじっくりシコ松してやるから今は大人しくしていてね。
「そこのお店だよ。席は…空いてそうだね」
「よかった!入ろう!」
僕達は、ルンルン気分で居酒屋に向かったのだった。
・・・
店に入ると、炭火焼きの香ばしい香りが店内に充満していた。
「いい匂いだなぁ!ねぇ、串焼き盛り合わせ頼んでいい?」
「美味しそう!わたしも食べたい!」
主ちゃんは目を輝かせて壁の手書きメニューを見渡している。
「メニューいっぱいあるね!悩んじゃうな」
「つまみは僕が適当に頼むから、まずは飲みもの選んでね」
こういう時は、男がリードしてメニューを選び、女子が食べたい物をおねだりしてきたら快く頼む。
…カラ松兄さんのメンズファッション誌を勝手に読んで、ラブホ連れ込み確実デートマナー特集に書いてあったんだ。
いやいやシコ松、なにまた反応してんの?生理中の彼女に無理はさせないよ?
セックスの無いデートだって、二人の婚約、結婚プロジェクトの重要なタスクだからね。
それに、少しでも僕という男が彼女の人生に彩りを与え、喜んでもらえたらステキだと思わない?
と、胸中でシコ松を言い聞かせつつ、僕はメニューを眺める。