第23章 ぶどうって… 一松
「ね、ふたりぼっち同盟を結ぼう!」
「——ふたりっぼっち?どうめい?」
主はクスっとイタズラっぽく笑った。
「そう。嬉しいことも嫌なことも、全部半分こ。わたしの彼氏なら、それくらいの義務は果たしてください」
「痛み分け?」
「そ、それはちょっと違うと…思う」
「連帯責任?」
「ふふっ、それイイね。そういう事にしてさ、お互い傷つけた責任を取ろう?」
「…責任取るっつっても、何すんの?」
「えっとね…今日はこのまま…ずっとエッチして傷を舐め合う感じでどうでしょう?あ、さっきいじめてって言ったけど、やっぱり痛くしないでねっ?」
「オマエって…ホントにばか…」
いつの間にか、おれは笑顔になっていた。
「そんなん…言われなくても、めちゃくちゃイカせまくってやるし」
「ホントかなー?って待って…!まだ、動かないでっ!あっ……んあぁっ……!」
「待てません。待ちません」
抱きしめながらピストン運動を再開すると、さっきまでの聖母みたいな表情から一変して、小悪魔よろしく、おれを夢中にさせるクソエロい主に豹変する。
(ふたりぼっち…か)
心は目に見えない。
それがこわかった。
でも、声は聞こえる。
オマエの声が、
おれの心に入ってくる。
心は見えないし聞こえない。
でも、ここには確かにあった。
おれと主の心は、
確かに二つ、
寄り添いながら
ここにはあったんだ。
・・・
・・・