第23章 ぶどうって… 一松
無理やり口をこじ開けて舌を浸入させると、ぶどう味の甘ったるい唾液がおれの舌に絡まる。
貪るように音を立てて唾液を吸うと、主の舌がほんの僅かだけ動き、おれの舌を舐めた。
舌を抜き取り、いたぶるように揉みしだいた胸の先端を押しつぶすように舐める。
すると——主は必死に喘ぎながら、頬につうと一筋の涙を流した。
「おれが…こわいの?」
胸の奥が苦しくなり、たまらなくなって聞いたけど…返事は無く目はうつろだ。
(嫌われ…た?)
ほらみろ。
だから、人と深く関わりたくなかったんだ。
どんなに好きだって、
どんなに一緒にいたくたって、
自分から人を裏切る。
傷つける。
ああメンドクサイ。
ああサビシイ。
恋人なんて…
おれには荷が重すぎた。
なぁ、
この行為が終わったら…
オマエもおれから離れていくの?
主を傷つけているはずなのに、なぜか自分が傷ついていた。
ヤケクソになり、主のショーツを脱がせると、そこはもう…むせび泣いたようにビショビショだった。