第23章 ぶどうって… 一松
一松視点
主を無理やり襲いたくなかったのに…
カッコつけて、甘い言葉で主を翻弄して『濡れてきちゃった…抱いて!』って言わせたかっただけなのに…
気がつくとおれは、八つ当たりさながらな愛撫で主を犯していた。
「っ……いた…い!!」
背中を引っ掻くと、涙目になりながらも痛みを受け止めている。
長い髪をかきあげ、首筋に強く吸い付き赤黒いキスマークをつけた。
不安だから、
ワザとオマエを傷つける。
心は目に見えない。
それがこわい。
だから…
目に見える傷をつけて、
安心したいっていうただの自己満…。
オマエのことなんて、これっぽっちも気にかけてない。
最低最悪、クズの中のクズ。
松野一松と書いて、燃えないゴミと読む。
それがおれ…。
「そんなに痛くてやめて欲しいならさ…お願いしなよ?おれに服従してさ……」
耳の穴にグチュグチュと舌を這わせながら囁くと、脚をくねらせ悶えている。
乱暴にブラを外すと、既に乳首はツンと立っていた。
「ふーん、おれに求められれば、勝手にカラダが反応しちゃうってわけ?」
ワザと乳首を避けて、柔らかな乳房を弄ぶように強く揉みしだく。
「ずいぶんと、おれに都合のいいカラダになっちゃって……ヒヒッ」
「っあ……ん……」
かぷ、とみずみずしい下唇に牙を立てると、声を漏らす主。唇は、ほんのりとぶどうの香りがした。
噛み付いたまま舌でなぞると、主が微かに震えるのがわかった。