第22章 寝起きにレモンフレーバー 十四松
いつもの慣れ親しんだ温もりに包まれ、安堵感からため息がこぼれる。
「主ちゃん…ごめんね…」
「え?」
「ぼくたちのこと、起こしにきてくれたんだよね?」
「う、うん…」
「ぼくら、寝相悪いから…。ぼくが、ウチに呼んだから…主ちゃんのこと傷つけちゃった…」
「そんなこと…言わないで!」
ギュッと胸に顔をうずめた。
「さっきは確かにびっくりしたけれど、わたし、みんなと過ごせてすごく楽しかったよ?お家泊めてくれて、ありがとう!」
「みんなのことキライにならないー?」
「ふふっ、ならないよ。でも、イチバン大好きなのは十四松くんだけどね!」
「あっははー!やったぁー!!」
ニカッといつものように三日月みたいなお口で微笑んだかと思うと、不意に唇を奪われた。
「びっくりした!」
「ねぇ、ぼく…昨日のだけじゃ…たりないかもしんない…」
「え!?で、でも朝ごはんだよ!?」
「母さん達ならへーきだよ。ぼくらが朝寝坊なの分かってるから」
するりと服の中に浸入する、大きな手…。
「みんなが…いる…よ…?」
「そっかー!もう一回バットで殴っておこうかー?」
「そ、それはダメッ!絶対にダメです!!」
「じゃあ…殴らないから主ちゃんを、おかわりしてもいいよねー?」
こうなってしまっては、きっともう収まらない。
「い、一回だけ…ね?」
「わかったー」
布団の上に優しく組み敷かれ、朝から濃厚な時間を過ごす事になってしまった。