第22章 寝起きにレモンフレーバー 十四松
顔を洗い終わり、そっと二階へと向かう。
(なんか、ちょっとドキドキするなぁ…)
十四松くんだけならまだしも、男の人が寝ている部屋に入る経験なんて滅多になかった。
そっと襖を開けると…
(かわいいーー!!みんな、一枚の長布団で寝てるーー!!)
いい大人が仲睦まじく、しかも兄弟で寄り添って眠っているとか…なかなか見られない光景である。
だけど、締め切ったカーテンのせいで部屋は薄暗く、顔がみんな同じなので誰が誰だかよくわからない。
(まずは、十四松くんに声かけないと…)
一人ずつ顔を確認しようと、手をついて覗き込んだ。
(この人は……十四松くんより眉毛が少し太い気がするから——ちがう…かな?)
十四松くんでは無いと判断して、その隣の顔を覗き込む。
すると、横から手が伸びてきた。
「むにゃ……まってた…ぞ…カラ松ガール……」
(わっ!?)
寝ぼけて何とかガールとか呼ばれながら、腕を掴まれる。
バランスを崩しよろめくと、そのまま抱き寄せられてしまった。