第21章 ※恋は桃色 トド松
主人公視点
仕事を早めに切り上げて二階にある自分の部屋に行くと、トッティはベッドの上で横になっていた。
「あっ…おつかれさま!」
わたしを見るとひょこっと起き上がる。
さっきお店で見せていた不機嫌そうな顔はもうそこには無かった。
「今日も来てくれてありがとうね。十四松くんにも会えて嬉しかった!」
「べ、別に…ここのケーキ大好きだから!兄さんも喜んでいたよ!」
「ねぇ、今日食べていた桃のタルト——どうだった?」
「あぁ、新作のあれ?すっごく美味しかったよ!桃とカスタードの相性バツグンだったし、タルト生地がココア風味なのも良かった!」
「よかった…!アレね、わたしが考えたんだ!」
「そうなの!?主ちゃんさっすがー!」
トッティはパンパンとベッドを叩いて隣に座るように促す。わたしはスリッパを脱いで横に座った。
「あのタルト…実は、トッティをイメージして作ったの」
「えっ?」
「トッティってピンク好きだから桃を主役にしてさ…。ココア風味の生地は時々見せる男っぽい雰囲気をイメージしたんだけど…」
「……」
トッティがうつむき黙り込んでしまった。
「トッティ?」
すると…
「ボク、おバカさんだね…」
ギュッと強く抱きしめられベッドに押し倒された。