第19章 ショタごっこin松野家 十四松
「俺、ちょっとトイレー」
「おそ松兄さん」
「なんだよ十四松」
「ぼくもトイレ」
「は?連れションとかきもちわりーし」
「ねーねー、わかってるよね?」
僕の左からおぞましいオーラが放たれる。
「…しょんべん引っ込んだ。おやすみー」
(早っ!!布団戻っちゃったよ!?行くふりすらしないとかあからさまだなーおいっ!!)
「じゃあ、ぼく一人でトイレ行くねー」
僕の左側の布団がガサリと動く。
「十四松…」
闇の中、闇を纏った一松の声がポツリと聞こえた。
「なーにー?」
「仮に…そう、仮にだけど、もしおれ達が眠っている下からギシアンが聞こえてきたら…」
「うん?」
「筆下ろし大会開催して、あの子の〇〇〇と×××を開発調教しまくって拡張するから…」
起き上がろうとしていた十四松の動きが固まった。
「あははーっ、やだなー!一松兄さん!」
「…布団に戻るんだブラザー」
「もう寝よーぜー」
「オヤスミッ。十四松兄さんっ」
「これは、お前のためでもあるからね」
「……」
渋々と布団をかぶる十四松。
(つーか二人ともトイレ嘘かよ!!)
・・・
イイ匂いかつ、脳裏に焼きついた生足ダボダボ萌え袖パーカーによる興奮を必死に抑え、ようやく僕がウトウトしかけたその時。
——ガサッ
「!!」
布団がめくれた気配がして左側を向く。
(気のせい…か)
背中を向けて眠る十四松を確認し、僕はようやく眠りについた。