第19章 ショタごっこin松野家 十四松
主人公視点
夢と現実の境界線が無くなりかけ、ウトウトとまどろんでいると、愛らしいキスに起こされた。
「主ちゃん、会いにきちゃった」
「十四松くん…みんなは?」
「もう寝たよー」
そう言うと、キュッと抱きしめられる。
??
抱きしめられたけど…何か違和感を感じた。
いつも、ふわりと包み込むように抱きしめてくれるのに——まるで、自分が包み込んでいるような……って!?
「十四松くんっ!なんかちっちゃくない!?」
「あれぇ?もうバレちゃった?」
にんまり笑いながら恥ずかしそうに頭をかいている。
「なんで二分の一スケール!?」
「みんなにバレないように分裂した!」
「『分裂した』って…そんな真顔で……え!?十四松くん分裂出来るの!?」
「うんうん!!」
なんということだろう。
空を飛ぶだけでなく、アメーバのように分裂までしてしまうなんて。
わたしはもしかして、とんでもない人を恋人にしてしまったのではないだろうか。
うーん、でも…。
「なんだか、腕の中に収まるサイズだと、子供みたいでこれはこれでカワイイね」
わたしも彼と過ごす時間が増えて、随分と耐性がついた気がする。
だって、十四松くんだもん。
十四松くんなら、分裂も拡大縮小もお手の物……なのかもしれない。
「カワイイ?やったーー!」
「弟が出来たみたい!」
「でもねー、主ちゃん」
「なぁに?」
「ちっちゃくても、キモチよくしてあげられるよ?」
そう言い終わるや否や、パーカーの中に潜ってゆく十四松くん。
「ちょ、ちょっと待ってっ!」
「みんなに聞こえないように、気をつけてね」
「え…」
十四松くんは、ちっちゃくたって相変わらずな天性のテクニックで、わたしのカラダを快楽の渦へと導いていった…。