第19章 ショタごっこin松野家 十四松
「…十四松、考え直せ!泊まるって聞いただけで全員コレだよ!?現物来たらぜっったいにヤバいって!!」
僕が説得を試みるその横から、矢継ぎ早にトド松が口を挟む。
「十四松兄さん、ボクだったら、こんな腐りきった無職童貞の掃き溜めに絶対カノジョを泊めたりしないよ!?まぁボクだけマトモだから、何かあったらあざとカワイさで守ってあげるけど!」
「トド松、言ってること矛盾してんの分かってる?」
「しかし十四松、一体どこで寝かせるんだ?まさかここではないよな?」
聞いておきながら、カラ松兄さんは押し入れから新しい布団を出してきた。
なぜか一松も、珍しくシーツを広げてカラ松兄さんの手伝いをしている。
「母さんに聞いたら居間に布団敷くって言ってたーー!」
「え?そうなのか!?…なんだったら、オレが彼女の用心棒になってやっ」
「マジいらないね!!」
「はい…」
十四松、彼女の事となると厳しいな。
「だけど、なんでまた泊めようと思ったんだよ?」
おそ松兄さんが股間を抑えながら十四松に聞いた。
「えっとねー、主ちゃんのアパート、水道が壊れちゃったんだって!それに、ぼく達みんなに会いたいって言ってたから母さんに話したらイイって!!」
そういえば、十四松の彼女に会ったことがあるのは僕だけだった。その僕も、河川敷で一度遭遇しただけだけど。
「ふーん。ま、イイんじゃね?」
おそ松兄さんは動揺していない素振りを見せながら漫画を読みだした。
「平静を装っているけれど、お前が一番ゲス確定だからな!!」
「あっははー!大丈夫だよチョロ松兄さんっ!もし主ちゃんに何かあったら、全員ぶち殺すからへーきへーき!!」
不意に十四松が、スプラッター映画顔負けの恐ろしい台詞と笑顔を僕等に振りまき、
みんな…
黙り込んだ…。