第18章 お医者さんごっこ 一松
主人公視点
(もうっ。風邪だから休んで欲しいのに…)
火傷の代償に、さっきから一松くんのエッチなおねだりにずっと応えている…。
「センセー、風邪の診察まだ?」
「は、はーい!」
一松くんをベッドに座らせて、家にあったアイススプーンを口の前に持っていく。
「松野さん、あーんしてください」
「……」
無言で口を開ける一松くん。
舌をスプーンで押して喉を開かせる。
素人なので分からないけれど、喉の奥がほんのり赤く炎症しているようなしていないような…。
というか、別にお医者さんごっこなんだから、真剣に診察する必要がないことを今思い出した。
「じゃあ次は心音ですよー」
わたしは紫のTシャツをたくし上げた。
「!!」
決してムキムキに鍛え上げられている訳ではないけれど…。
なぜか、一松くんの胸板を至近距離で見てドキドキしてしまう自分がいた。
(こうして見ると…男っぽくて、かっこいいかも……)
思わず胸に飛び込みそうになったけれど、
「センセー、何ボーッとしてんの?」
すぐに女医という設定を思い出す。
「な、何でもないです!」
ピトッと聴診器を心臓付近にくっつけた。
ドッドッドッドッドッ……
(ん?)
一松くんの鼓動が速い。
(そっか…一松くんも…ドキドキしていたんだ)
風邪引いているけれど、今日はサービスしちゃおうかな。
わたしは、聴診器を外して彼の既に硬くなっているソコをそっと撫でた。