第18章 お医者さんごっこ 一松
「じゃあ、おじや食べて少し横になってください」
「…いらない」
とりあえず寝たい気分だった。
「ダメです。早く食べて」
「いい…」
「食べなさいっ!」
「いっつ…」
ほっぺたをつねられながら怒られた。
(つ、つねるなんて反則だろ!)
おれがほっぺたに襲った痛みの余韻に浸っていると、主がおじやをレンゲですくって口の前まで持ってきた。
「こうなったら無理やり食べさせますからね。はい、あーん」
「わかったよ!…自分で食うって」
「いつ食べるか分からないから強制的にあーん!」
「ちょ、待てっ…!」
無理やりおじやを口に入れられたら…
「あっぢぃぃぃーーーー!!??」
「キャッ!?ゴ、ゴメンッ!!冷まし忘れてたーっ!!」
舌の感覚が麻痺するほどのヤケドをした…。
「……」
痛いのはいいけど、熱いのはちょっとシンドイ…。
無言で主を睨みつけると、主は少し申し訳なさそうに上目遣いでおれを見つめている。
「その…ゴメンね…。早く食べてもらって休んで欲しかったの…。それで、つい…」
「あー、熱かったなぁ…。これじゃ舌が使い物にならないんだけど…」
「…ごめんなさい」
「ただ謝られるだけじゃあねぇ…気持ちは行動で示してもらわないと…」
「え…?」
おれは黒いオーラを発しながら、主を見つめた。
・・・