第14章 カラ松の夜
主人公視点
鏡の前に立つ自分を眺め、呆然と立ち尽くしていた…。
(ど、どうしよう…)
ギリギリまで大きく開いた胸元にリボンが施され、フリルが付いた大胆なデザインのベビードール。スケスケで何も隠れてない。
そして、Tバックなんて生まれて初めて履いた。
下手したら、全裸より恥ずかしい…。
(カラ松くん…こういうのが好きなんだ…)
普段のシンプルなデザインの下着が恋しくなり、脱ぎたい衝動に駆られる。
——でも。
彼はきっと、今夜も無理してこんな凄いホテルに泊まらせてくれたんだ。
家でのんびり過ごしたって構わないのに。幸せなのに。
わたしを喜ばせようと、いつも頑張ってくれている。
彼女として、大切にしてくれているんだ。
(バスローブ羽織るくらいなら…許してくれるよね)
肩にバスローブを掛け、彼の待つ部屋へ戻った。