第14章 カラ松の夜
「そうだね。おそ松くんの言う通り、そのままでいいと思うよ?」
「そういえば、主と随分長く過ごしているが、オレに向かって一度も痛いと言ったことがないな?オレは知らず知らずのうちにお前を傷つけていないか心配だ」
「うーん」
ワイングラスを回し透明な真紅を楽しんでいたかと思うと、真っ直ぐな視線を向けてきた。
「いろいろ思うところはあるけれど、それがカラ松くんの個性だからね。わたしに合わせて無理して変わったりして欲しくないし」
「主…」
「あ、でも、社会に害悪を撒き散らすのはマズいから、服装は変えさせた方がいいのかな」
え?なんか最後ものすごくヒドいこと言ってない?
ま、まぁ気にしないでおこう。
「フッ、ならば、オレはワガママだな…」
「え?」
オレは背もたれに隠していたプレゼントをハンドトゥーハンドした。
ええと…つまりは手渡したのさっ。