第12章 ※チョロ松の台本 ライジング編
お「やあいらっしゃい。ようこそ松野家へ」
「お久しぶりです!映画館で会った以来ですね!」
返事をしたけれど、なぜだか目が合わない。というか、みんなフリーペーパーを読んでいる…。
お「いやぁ、こんなかわいい子と付き合っているなんて、お前も隅に置けないなぁ」
チ「や、やめろよおそ松兄さん。主ちゃん、こっちが長男のおそ松兄さん、そっちが次男のカラ松兄さん」
カ「フッ……」
「あっ!プリクラから一人で出てきた人ですね!よろしくお願いします!」
「イタタタタ…!!何それイタイ!」
「トド松!!」
チョロ松くんが今度はトド松くんをギロリと睨みつけた。
「もうっ!」
チョロ松くんに叱られ、トド松くんはムッとしながらフリーペーパーに目を戻す。
「あの…みんな??」
「は、はい!次一松!!」
「…………」
チョロ松くんの目配せから目を逸らし、一松くんは俯いてしまった。
「一松っ!」
名前を呼ばれ、目を泳がせながら口を開く一松くん。
一「ぼ…ぼぼぼくは、い、一松で…す。好きな物はねね、猫。キミ…、ね、猫みたいでか、かわいいねオベエェェェェエエ!!」
「キャーーーッ!!」
一松くんが話し終わると同時に、吐血してその場に倒れこんだ。
十「ぼく十四松です!趣味は野球とプロレスかな!よろしくね!!」
ト「トド松です!主ちゃんよろしくね!以上っ!」
「よ、よろしくお願いします…。っていうか血すごいですけど!?」
なぜかみんな一松くんをスルーしたので、心配になったわたしは彼の元へ駆け寄った。
ゼェゼェ息をしている一松くんの背中をさすっていると、床に開きっぱなしになったフリーペーパーの中身が見えた。
「なに…これ…?」
思わず手に取る。
「主ちゃんっ!そ、それは!!!!」
一ページ目を読み終えた時、ショックで頭の中が真っ白になった。