第78章 ※おまけ ありがとうを君に
ラブホに着き、ベッドに腰を下ろす二人。
人生、自分の思い通りにはいかないものらしい。
納得できない僕は彼女を問い詰める。
「な、なんでシたくないの?生理?」
ぶんぶんと無言で首を横に振っている。
何か気分を損ねるようなことをしでかしたか、頭の中で一連の流れを思い返す。
(ええっと…今日は二週間ぶりに会って、ダイニングバーで主ちゃんの仕事の愚痴聞いて、友達となんたらカフェ行ったって写真延々と見せられて、僕も上司に初めて褒められたことを報告したりして…会話は終始弾んでいたよな?とすると、あのお店が気に入らなかった?いや、でも喜んでたし、横文字のおしゃれなメニューを片っ端から頼んで……ハッ!?そうだ!そう言えば!)
「さっきあんまり食欲なさげだったね。もしかして具合悪いの?」
心配になり額に手をあてるが熱はない。
「具合は悪くないけど…」
「う、うん…」
「恥ずかしいから…」
「え?」
どうしたの主ちゃん?
今更恥ずかしいって何!?
今夜はどぅるっどぅるナイトをプランニングしてるというのに。
落ち着けぇチョロ松ぅ。
冷静に事を対処するんだ。
やっと会えたんだから、無理やりにでも甘い展開に持っていかないと!
恥ずかしがったって、この僕が念入りに愛撫して女の喜びを味あわせてあげればいいんだ。
…そうか。ご無沙汰だから自信がないんだね?
かわいーなーもーーっ!
安心して。
主ちゃんの身体は、いつもサイッコーで僕のチョロ松は早漏で候!
僕は、優しく微笑みかけ肩を抱き寄せた。
「ハハハッ、恥ずかしがらないで?僕は何があっても主ちゃんをす…好きかな!なんて!」
「チョロ松くん…本当?」
「当たり前でしょ?久々で緊張してるならそそ、その、一緒におおお風呂入る?」
まずい、どもってしまった。
久々で緊張してるのは僕じゃないか。
安心させて心も身体も開いて貰いたいというのに。
「でも、やっぱりチョロ松くんをガッカリさせちゃうかもだから…」
「いや、今夜セックス出来ないのが何よりもガッカリってちち違う!そうじゃなくて、何をそんなに気にしてるの?」
「絶対に…ひかない?」
「当たり前でしょ。話して?」
僕はたとえ、ある日突然キミにちんこが生えてたって、未来永劫愛すると誓おう!