第78章 ※おまけ ありがとうを君に
三男の場合
急いで仕事を終えて駅に向かい、主ちゃんと合流した。
「ごめん!また残業になっちゃって…!」
「気にしないで。いつもお疲れ様!」
たまに仕事後こうして会っているんだけど、就職してからというもの、デートはいつも僕が遅刻。
…今日は、せっかくのバレンタインデーだというのに。
もっと僕が仕事をテキパキこなせたらいいんだけどな。
そしたらすぐ帰って主ちゃんを一分でも長く味わっていられるもん。
でも今日は、いつもみたいにごはんを食べて終わりじゃない。
なんと、次の日が二人共休みなんだ。
時計が一周したってまだ一緒にいられるんだ。
うん、よく頑張ったチョロ松。
この日の為に、汗水たらして長時間労働を耐え抜いてきた僕を褒め称えたい。
今夜は自分へのご褒美だと思って、主ちゃんと思う存分贅沢で楽しい時間を過ごそう!
(ラブホにも行く約束してるしね!)
ってゆーか、僕の脳内において「ラブホ」が98%を占めていた。
申し訳ないけど、男にとって「好き」と「セックス」は切り離せないものなんだ。
大好きだから肌の温もりが恋しくなるんだ。
「じゃあ、まずはごはん食べよ?」
「わーい!」
僕が手を差し出すと、嬉しそうにはにかみながらキュッと手を結んでくれた。
出会ったばかりの頃はポンコツだったけど、自分から手を繋ごうとしちゃうとかさ、随分成長したでしょ?
こうして、僕らはお酒と食事を楽しんでからラブホへ向かった。