第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
何回か家に来てるらしいけど、夜勤の多い俺と終電で帰るチョロ松とでは、タイミングがなかなか合わなくて、こうして顔を合わせたのは本当に久々だった。
チョロ松はゴミをまとめ終わると、今更思い出したようにスーツとネクタイをハンガーにかけ、シャツのボタンを一つ開けてふぅとため息を一つ。
「僕も残業で、さっき着いたばっかなんだ」
「ふーん…ちゃんと偉い人に毎日怒られてるか?」
「何その言い方。もちろん叱られてばかりだよっ」
なんとなく目を合わせらんなくて顔を背けたけど、俺がフッと笑うと、つられてチョロ松もハハッと笑った。
「おそ松くん、今日はみんな泊まって行くんだって。わたしも一緒にいーい?」
「いちいち聞かなくても、お前は強制参加」
「ぼくねぇ、久しぶりにポーカーしたーい!!」
「…いいなぁ!」
どうやら十四松と一松はトランプで遊びたいらしい。
「いいけど先始めてて。俺風呂入って主ちゃんとセックスしてから参加すっから」
「なっ!?おそ松くんっ!!」
「お前と言うヤツは…!兄弟の感動の再会よりセックスを取るのかよっ!?ほんっとゲスなとこは変わってねーなぁ!!」
「あーら顔真っ赤にしちゃって。って、え…?チョロ松…まさかお前、就職したくせにまだ夢見るチェリー貫いてんの?俺のエロ本であんなに予習してたくせに」
その一言が何故か逆鱗に触れたらしく、チョロ松がすごい形相で立ち上がった。
顔から湯気を出し、ワナワナ震えながら俺を睨んでいる。
「お、お前にはデリカシーってもんが無いの!?なんで主ちゃんの前でエロ本とか言っちゃうかなぁ!!」
狼狽えるチョロ松を庇うように、主ちゃんが会話に割り込んできた。
「おそ松くん!!せっかく久しぶりに全員揃ったんだから、変なこと言わないで!みんなでトランプするよ!」
「あーひでーー!!チョロ松のせいで主ちゃんの性欲減退したー!!つまんなーーい!!」
「元からありません」
俺らがワイワイ騒いでいると襖が開き、母さんが皿を持って居間へ入ってきた。