第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
———……一年後
クタクタになりながら、日付が変わる直前に家へ辿り着いた。
相変わらず就職は出来てないけど、いくつかバイトをしてみて、なんとか続けることが出来たのがラーメン屋だった。
ヤローしかいないから男臭いし、厨房クソ暑くて汗臭いし、汗臭さと油臭さが混ざっておっさんの裏側みたいな匂いするし、餃子焼いてて手ェ火傷するしで散々な毎日だ。
競馬で六億当てて、今までのダメ人間ぶりを全部うやむやにして、一生働かず主ちゃんとぐーたらが夢なんだけど、これがなかなか当たんないんだよねぇ。
…とりあえずは、早く定職ついて安心させてやりたい。
夢はビッグで堅実に。最近の俺のモットーだ。
バイトなのにも関わらず、働いてる俺を主ちゃんは心から喜んでくれている。
がんばってんのが嬉しいんだってさ。
疲れた時はイイコイイコしてくれるし、いつも甘えさせてくれる。
相変わらず完璧な彼女!
いーだろーっ!
やべー、主ちゃんを思い出したらムラムラしてきた。
今日は早くオナニーして寝よ〜。
仕事の後のオナニーは最高だよな!
玄関を開け、靴を脱いだ。
靴を脱いだ…けど。
(きったねー玄関!!)
足元を見れば、女物の黒いパンプス。これはおそらく仕事帰りの主ちゃんのだ。
そして、ヤローの革靴とかスニーカーで玄関はごちゃごちゃになっていた。
俺のも含め、七足もあったらそりゃあ汚い。多すぎるって。
はやる気持ちを抑えながら、油臭いTシャツとジーンズを洗濯カゴへ入れ、いつもの赤いパーカーに着替える。
——ガラッ
勢いよく襖を開けると、そこにいたのは他でもない。
「おそ松にーさーーん!おかえりなさーーい!!」
「うーす、十四松。みんな…来てたんだな」
俺と同じ顔した五人と、主ちゃんだった。