第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
かっこつけて手紙なんか送って来やがって。
あぁそーだよ。
俺がガキだったよ。
お前が家を出て行く時、嬉しさと悔しさと寂しさと焦りが全部いっぺんに襲ってきて、どーすりゃいいか分かんなかったんだよ。
ずっと後悔してた。
「がんばれ」って言えなかったこと。
見送ってやれなかったこと。
お前は知らないのか?
みんなお前を見習って家を出た。
俺を置いて出て行ったんだ。
お前の決心が兄弟を変えたんだよ。
認めたくねーけど認めてやる。
チョロ松、お前は立派な弟だ。
立派すぎてお兄ちゃんケツ毛燃えたわ。
けどなぁ、俺だってもう変わったんだ。
お前に背中押されなくたって、頑張ろうって思えたんだ。
幸せにしたい奴がいるから。
俺を待ってる奴がいるから。
信じようって思った……か。
奇遇だな。
ちょうど手紙を読む前、俺も信じようって思ってたんだ。
弟たちのこと、主ちゃんのこと、そして…
「離れても、俺はずっとお前らのお兄ちゃん、最強の長男様だってな」
ゴシゴシと目を擦る。
泣いてる場合じゃない。
俺だって前に進むんだ。
二階へ行き、押入れからダンボールを引っ張り出した。
ダンボールの中にはチョロ松の置き土産、就活セットが詰め込まれたままだった。
俺はその中から、未使用の履歴書を手に取った。
・・・