第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
母さんは俺に封筒を渡すと、すぐ部屋から出て行った。
ビリビリと乱暴に封をちぎり、中から手紙を取り出す。
俺は、文字に吸い込まれるみたいに手紙を読んだ。
あいつの大して綺麗でもないくせに、丁寧に書かれた字を、胸に刻むように何度も…何度も——。
「あのバカ…」
何だよ「みんなへ」って。
みんなもういねーんだよ。
この家にはもう、俺一人しか残ってねーっつーの。
急になんだよ。
気持ち悪ィよ。
柄じゃねーことしやがって。
直接伝えるのが恥ずかしいから手紙にしたって?
文面でライジングすんじゃねー!
お前のことなんか、別に何とも思ってねーし!
ちゃっかり一番乗りで自立しておいて、いちばんに頭に浮かんだのがみんなの顔だぁ?
変な気ィ使いやがって。
決心したんなら、いちいちこっち振り返んな!
前だけ向いてろ!バーカ!
——みんなを信じようと思ったんだ。僕たちが前に進むには、その方が絶対にいい。
——信じようって。
勝手に溢れた雫が手紙を濡らす。
「あいつって…ホントに」
バカ。
バーカバーカバーカ!!
チョロシコライジング電三郎!!
うっせーよ!
言われなくてもお前の気持ちなんて分かってんだよ!
俺だって本当はお前を祝いたかった。
けどだめだったんだ。
クソみたいなプライドが邪魔してだめだったんだよ。
兄弟一見栄張って自意識ビッグバンしてたお前が就職したんだぜ?
あんなクソニート童貞シコスキークズバカ短小ヤローがさ。
嬉しくないわけねーだろーが!!