第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
「わたしの知ってるおそ松くんはこんな人じゃない!わたしの大好きな彼氏は、バカの中のバカでクソニートでギャンブル依存で絵に描いたようなゲスで性欲過多で…」
「おい!内容さっきよりひどくなってんじゃねーか!!」
「でも、本当は…誰よりも弟思いで、誰よりも優しくて可愛くて、頼りになってかっこよかった!自慢の彼氏だった!何いじけて自分で自分の可能性を潰してるの!みんな寂しくても辛くても、変わろうと必死にがんばってるのに!!」
キッとわたしを睨みつけ、牙を剥くおそ松くん。
「うるせー!お前に六つ子の長男である俺の辛さなんて分からねーくせに!」
「おそ松くんだって、わたしの気持ちなんか分からないくせに!」
「ならお互い様だろーが!もうほっといてくれよ!!」
「なんで、なんで…」
瞬きをすると、大粒の涙がポロポロと零れ落ちた。
「どうして…辛い時、わたしに頼ってくれないの?楽しいことだけじゃなくて、全部見せてよ。辛い時側にいれないとか…そんなの…寂しいよ…」
「……余計なお世話だ」
おそ松くんはそう言うと、背中合わせに座った。
背中からじんわりと感じる体温に、こんな時ですらときめいてしまうわたしは、やっぱりどうしようもないくらい彼が好きなんだ。