第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
冷静に話したかったのについ感情的になってしまった。
後悔したってもう遅い。
「何なんだよさっきから!」
「っ!?」
乱暴に腕を掴まれ、冷たい瓦に組み敷かれる。
「家にまで押しかけて来やがって!人様の家庭の事情を詮索して楽しいか?そんなに情けなくて無様な俺を嘲笑いたいのかよ!!」
わたしを睨む険しい目つきは、どこか脆さを感じさせた。
ねぇ、どうしてそんなに泣きそうな顔してるの?
どうしてそんなに辛そうなの?
それなのに…どうして——。
「…離してよ」
虚勢を張るおそ松くんなんか怖くない。
それよりもただ、悲しかった。
「んだよその目?誘ってんの?なぁ、慰めに来たんならヤラせろよ?全然オナニーしてねーし溜まってんだよねー」
服の中に手が浸入してきた。
微かに震える手は、きっと自分を偽っているから。
いっつもバカ正直なくせに、本当に辛い時、なんでそんなに強がってるの?
「やめて」
「部屋戻ろうぜ?彼女ならさ、それくらいの務めを果たせよ?な?」
胸に手が伸びてきた瞬間、バランスを崩した隙を狙い、おそ松くんを突き飛ばした。
——ドスンッ
鈍い音と共によろける身体。
おそ松くんは尻もちをついて腰を押さえている。
「な…にすんだよっ!!落ちて死んだらどーすんだ!?」
「おそ松くんのバカ!ゲス!クソニート!!変態クズハゲ出っ歯!!」
「最後の二つはちげーし!」
「五人の可愛い弟のお兄ちゃんで、わたしのたった一人の彼氏でしょ!そんなんでどーすんの!!」
涙を拭い感情を吐き出すと、おそ松くんは舌打ちしながら悔しそうに口をつぐんだ。