第77章 ※ひたすら遊んで暮らしてぇ! 長男END
日が沈み、部屋が真っ暗になってから下へ降りた。
明かりの漏れる居間の襖を開けると——
「おそ松くん、お邪魔してます」
ちゃぶ台でトンカツを頬張る主ちゃんがいた。
「……」
「食べなさい、おそ松」
静かな、それでいて鋭い母さんの声が突き刺さる。
何も言わず、襖を閉じようとしたのなんて母さんにはお見通しで、先手を打たれてしまった。
返事をせずドカッと乱暴に座れば、主ちゃんが直ぐに立ち上がり、俺の味噌汁とごはんを持ってきた。
黙って受け取り味噌汁をすする。
誰も話さず黙々と食べる。
虚しく響くテレビの音。
テレビなんかつけなくったって賑やかだった食卓は、もう此処には無い。
カチャリ、と箸を茶碗に乗せた。
誰とも目を合わせず、終始無言で夕飯を終え、一人二階へと上がって行く。
主ちゃんの馬鹿。
なんで来ちゃったんだよ。
俺、どうしようもないクズだろ?
お前にだけは見られたくなかった。
お前にだけは隠しておきたかったのに。
なんでだよ…。