第76章 さよならなんかじゃない おそ松
「会えない時間は増えるけど、さよならなんかじゃないだろ?むしろこれからじゃん?」
「これから…?」
「俺、車の免許取ったから、いろんなとこ連れてってやれるし…二人の未来に向けて、ちゃんと仕事探しとかがんばるから!な!」
「……不安しかないんだけど、信じていいの?」
安心させようと思ったのに、なんで不安!?
「し、信じていいに決まってんじゃん!それに、寂しくなったらいつでもうちに来いよ。たっぷり可愛がってやるから」
「…うん」
「それに、ずっとお前を夢中にさせる男でいてやるし」
「…口ばっか」
「あーひどーい!この場面でそゆこと言う!?」
俺が口を尖らせいじけると、主ちゃんは俺の唇を指でつまんでコロコロ笑った。
雨の後の虹みたいな笑顔。
(もう元気になったよな…)
唇をつまんでいる手を掴み、手の甲へそっと口付ける。
「な?そうやって不安になっても、沢山笑わせてやるから」
「うん…」
「お兄ちゃん、お前の為なら何だって出来ちゃうんだぜ?」
「あり…がと」
あらら、また泣いちゃった。
ホント泣き虫で…。
…ほっとけない女だよ。