第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
20分後、何食わぬ顔で一子が戻ってきた。
その頃にはみんなモツ鍋を食べ終わり、シメの雑炊を食べていた。
「あんたいつまでウンコしてんのよ!」
「違うわ。酔ったから月光浴してただけよ」
「カラ子、ご飯中に汚い!」
肩で小突いて注意した。
主くんの笑顔が引きつっている。
これだから下ネタ大好物野生オッさん系女子は…。
あたしがため息を吐いていると、目の前で十四子がトド子に向かい大声で耳打ちしている。
「ねえねえ、一子戻ってきたしぃ、そろそろアレ…聞いちゃおうよー!」
「アレって?」
「この6人で、誰がタイプかさー」
動揺を隠せないらしく、主くんの目が泳いでいる。
「十四子、彼を困らせないで」
「あー、おそ子もしかして聞くの怖いんだー?」
「そんなんじゃない。言ってるでしょ、『あたしの』友達を困らせないでって」
「主ちゃんは〜、やっぱりおそ子がいいのー?」
あたしを無視して質問をぶっこんだ十四子に対し、困ったように笑って返す主くん。
(いや困るなよ!?そこはおそ子一択だろーーが!!??)
いや、もしかしたら照れ隠しかもしれないと思い、温かい目で彼を見守…
「みんな素敵だと思います!」
……。
(おい。なによその模範解答ならぬ模範逃亡…。「どこ食べに行く?」って質問に対し「どこでもいーよー」って返しておきながら、こっちが店決めると文句言う奴並に腹立つ!みんな素敵言っておきながら本命隠してるパターンだろそれっ!!)
隣のカラ子がお腹を抱えゲラゲラ笑いだす。
「ダハハハハ!おそ子フラれてやんのー」
男の前なのに、下品極まりないドスの効いた笑い声。
そんなんだから、酔わせてラブホに連れ込んだ男に泣かれた挙句、土下座され逃げられんのよ。
「ちがう!あたしらは恋愛以前に人として仲良くなったの!!」
「うんうん、男女関係なく仲良いのは素敵なコトだよねっ!ねぇ、せっかくだから店員さん呼んでみんなで写真とろー!」
トド子が空気読みつつ話題を変え、またポイントを上げた。
トド子…恐ろしい子!!
こいつをなんとかして蹴落とさねば。
女の勘が騒ぐ。
この女が一番の敵だって。