第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
「さすがにないよねー」
チョロ子がカラ子に同意を求めると、
「ないなーい、胡散くさーーっ」
カラ子もゲラゲラと一子をあざ笑っている。
一子はというと、2人の反応を気にする素振りも見せず、頬杖をつきジャスミンハイを飲んでいる。
「べつに信じなくていいわ。あんた達と感性を共有する気ないし」
「ねぇ、一子がどうしたの?」
カラ子の肩をつついて会話に加わった。
「猫じゃらしを使った吉凶占いがマイブームとかぬかしてんのよ」
「うわっ出たー」
一子はホントに占いとかスピリチュアルが好きなのよねぇ。
女子はみんなそーゆーの好きだけど、この子は特に突出してる。
「え?猫じゃらし?」
どうやら主くんも興味津々みたい。
「猫じゃらし占術の他には、タロットやホラリー、周易も好きね。卜占(ぼくせん)はインスピレーションが大事なワケ。わかる?」
「『僕専』ってなーにー?ショタ?」
「字が違うわ腐れメガネ」
何言ってるのか意味わからん。
得意げな表情の一子がこの上なくイラっとくる。
絶対それっぽい単語並べてるだけだから。
「中学の頃、しきりに霊が見えたり心が読める宣言する子いたけど、それに近いわよねー」
「ぷっ!カラ子、それ遠回しに厨二病って言ってるー?」
「あんた達、呪うわよ」
チョロ子とカラ子に笑われ、一子がバッグから密教の秘術に使いそうなきったねぇ人形を取り出した。
向こうの鍋が違う意味で闇鍋になっている。
頼れる姉御肌なおそ子は、そんな空気すぐに変えちゃうのだ!
「ねぇ一子!主くんを占ってあげたら?」
とりあえず一子の機嫌を取りつつ、空気が読めて気がきくアピールをする。
おそ子、カンペキ!
「僕、興味あります!ぜひお願いします」
「…べつにいいけど。じゃあ、生年月日教えて?」
「ええと〇〇年×月△日です」
「出生地」
「赤塚区です」
「出生時間」
「えぇっ!?わかりません…」
「じゃあ相性診断はムリね」
「相性診断?猫じゃらし占いは?」
「……」
一子はそそくさと席を立った。
「トイレ…」
逃げた。
堂々と逃げたよこの子!?
一子もちゃっかり主くんを狙っているのを確信した瞬間だった。