第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
「誰の口臭がドブで歯周病ですってぇぇえ!?」
どうする?
おそ子ピーンチッ!!
あんなに声を張り上げたら、主くんまでドブ…一子の口臭が届いてしまう。
気分を害し帰られては大変!
なんとかしておとなしくさせないと。
「落ち着いて一子!ドブ子の由来、あんた今自分で主くんに分かりやすく説明しちゃってるわよ!」
あたしは必死に一子を落ち着かせようと試みる。
「一体インプラントに幾らかかったと思ってんのよ!!時間経って匂いが劣化した安くて趣味悪い香水つけてる、あんたの方がよっぽど臭い!害悪よ!」
「ひどーーい!安くないもん!古くないもん!6年前から放置してた福袋に入ってただけだもん!」
「泣かないで十四子。白菜多めに入れてあげるから」
トド子が十四子を慰める担当になった。
一子は言葉だけでは収まりそうに無い。
「一子…」
仕方なく席を立ち、怒りに震える一子を抱きしめた。
「っ!?」
驚き口ごもる一子。
「あたしは全部、分かってる。バイトでインプラントのリボ払い辛いの知ってるし、皆に臭いって言われてから常にブレス○ア持ち歩いてるのも知ってる。臭いけど偉いよ。ちゃんと努力してるもん。一子は臭くて偉くていい子…」
「おそ子…あんた…」
「え?目の前でまさかの百合展開?」
一子がチョロ子を無視してあたしを抱きしめ返す。
「おそ子…ありがとう。つい負の感情で心が歪んでしまったわ」
「いいのよ…だって、友達じゃない」
墓穴を掘った一子とウソ泣きを始めた十四子。
面倒な二人を、トド子と2人で必死に落ち着かせた。
(ってかトド子…普段はスルーなのに男がいる時はいい子ぶっちゃって。6人のまとめ役いつも人に押し付けてるくせに!)
男が絡むと女友達なんて敵でしかないと胸に刻み、至近距離の口臭に堪えながら主くんに包容力あるアピールをする。
——結局、2人が和解するまで実に15分もかかり、すっかり鍋は煮立っていた。
・・・