第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
「チョロ子、ウザッ」
「わ、こわーい」
「ちょっと一子!」
挑発的に笑うチョロ子ちゃんの隣で、不機嫌が顔に出ているカラ子さんが一子さんに牙を剥いた。
「あんたさっきから主くんに興味無いフリして、あたしらに毒吐いてイメージダウンさせようとしてるんでしょ!魂胆丸見え!」
牙を向けられても、余裕あり気に皮肉な笑みを浮かべる一子さん。
「なーにオッさん?言いがかりはよして。事実を述べてるだけじゃない」
「白々しー!人のことオッさん言う前に、あんたなんてスピリチュアル拗らせBBAのくせにっ!」
その一言で、一子さんの眉がピクンと動いた。
「誰がスピチュル…スピリチュアル拗らせBBAよ!カラ子なんかこの真冬にタンクトップ一枚で発汗とか、干あがってんじゃないの?」
「何大事なとこで噛んでんのよ!って、干あがってるってどーゆー意味だっ!?」
「ごぶさた」
「はぁーーっ!?」
—ガタンッ!!—
テーブルに手をつき、勢いよくカラ子さんが立ち上がった。
ど、どうしよう。
この人たち、なんでこんなに血気盛んなの!?
なだめようと口を開いた瞬間、おそ子さんが声を張り上げた。
「もうやめてー!!」
カラ子さんと一子さんの痴話喧嘩がピタリと止む。
「あんた達いい加減にして!少しは冷静になりなさいよ!」
「そうだよみんな!せっかく主くんがいるんだから仲良くしよ?ほら、お鍋もきたし」
トド子ちゃんに言われて気がついた。
店員のお兄さんが、ガスコンロと鍋を持って突っ立っている。
そして、明らかに震え上がっている。
「し、失礼します…モツ鍋でーす」
店員はそそくさと鍋をセットをすると、逃げるように去って行った。
「…ええと、とりあえず、みんなで仲良く鍋つつきましょう?」
ちびりそうなのを堪えながら、必死に笑顔を作ってそう言った。