第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
僕がハートの上に箸を置いてビールを飲んでいると、トド子ちゃんが小首を傾げながら顔を覗き込んできた。
「そういえば、主くんとおそ子ってどうやって知り合ったの?」
「おそ子さんに聞いてなかった?僕、満員電車で痴漢と間違えられてさ、一部始終を見ていたおそ子さんが助けてくれたんだ」
「そーだったんだ。よかった…おそ子がいてくれて」
しおらしくウル目になるトド子ちゃん。
しつこいけど可愛い。可愛いったら可愛い。
「捕まりかけた時、オドオド困ってるの可愛かったなー。だめだよっ、男子なんだからもっと自分を強く持たないと」
「あははっ、おそ子さんが甘えられるくらい立派にならないとな」
「え…」
冗談でそう言っただけなのに、おそ子さんの頬がほんのり赤く色づいた。
頼れるお姉さんキャラだと思ってたけど、意外と照れ屋で可愛らしい人なのかもしれない。
「男になりたいなら、あたしが鍛えてやってもいーよ!」
カラ子さんが、肘をつきながら身を乗り出し僕らの会話へ加わった。
鍛えられ引き締まった腕は、男の僕が見てもカッコいい。
「そういえば、カラ子さんってすごくスタイル良いですよね。ジムのインストラクターとかやってたりします?」
「あー…そこら辺は濁す感じでヨロシク!」
「え?わかり…ました」
きっと、僕には分かり得ない大人の事情があるのだろう。設定とか資料とか〇〇とか——。
「フフン、褒めてくれたお礼に自慢の腹筋触らせたげるー」
「い、いいですよそんな!」
初対面の女子をさわるなんてとんでもない!
「いいカラいいカラ、カラ子だけに!ガハハハハッ!」
「ちょっとオッさん、品性下劣なギャグやめて。お酒が不味くなる」
「はぁっ!?」
あぁ…また一子さんが爆弾を投下した。
「一子今日は飛ばすねー。もしかして必死になってる?うけるー」
手を口に添えてぐふふと笑うはチョロ子ちゃん。
一子さんの鋭い目線がチョロ子ちゃんへと向けられる。