第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
自己紹介が終わったタイミングでビールが来ると、おそ子さんが乾杯の音頭を取り飲み会が始まった。
誕生日席の僕から見て、右が手前からおそ子さん、カラ子さん、チョロ子ちゃん。左の手前からトド子ちゃん、十四子ちゃん、一子さん。
おそ子さんとトド子ちゃんは話しやすそうなので少しホッとする。
「はいどうぞー」
「ありがとう」
トド子ちゃんからサラダを受け取るとニコッと笑顔が飛んできた。
テキパキ人数分小皿に取り分けてみんなに配っている。
(あぁ、気が利いてかわいいなぁ)
サラダのトマトをパクッと食べるトド子ちゃんに見惚れていると、おそ子さんに肩をツンツンされた。
「よかったらこれ食べない?辛いのちょっと苦手なの」
「うん、ありがとう」
お通しのタコワサが入った小鉢が前に置かれる。
僕が受け取ると、それを見て一子さんが口を開いた。
「おそ子、ダッサ」
「なによ急に!」
一子さんは割り箸の袋で箸置きを作りながら、おそ子さんをフンと鼻であしらった。
にしても、魚の骨形の箸置きってどうやって折るんだろう。
すごく高度な気がする。
「無理やりか弱さアピールしちゃって、トド子に張り合ってんのバレバレ」
「張り合ってなんかないわよ」
「あんたこの前、激辛地獄担々麺制覇してたじゃない」
「そ、それは…!あたしはワサビの辛さがダメなの!」
2人がいがみあっている横で、十四子ちゃんがタコワサをじーっと見つめている。
「どうしたの?十四子ちゃんもタコワサ苦手?」
「ううん好きー。なんかぁ〜タコの吸盤ってぇエロくなーい?十四子ムラムラしてきた〜ん」
「そうかな…僕には分からないけど…」
「もーウブなんだからーー」
いやウブとかの問題じゃない。これでも脱童貞済みだ。
十四子ちゃん、キミは一体どういう感性をしているんだ…。
僕が呆気にとられていると、隣のトド子ちゃんが僕の前に何かを置いた。
「十四子、下ネタやめて。はい、箸置き折ったよ。主くんにあげる」
「お洒落でカワイイね!ありがとう」
トド子ちゃんが折った箸置きはハートの形をしていた。
女子力の高さに鼻の下が伸びる僕。
うん、魚の骨は尊敬するけどさ、男としては女子にはハートを折っていて欲しいな。