第75章 ※じょし松さんに溺れたい! 500拍手御礼
チョロ子ちゃんの次に挨拶してくれたのは、黒地に紫の松模様が散りばめられたワンピースを着た、黒いワンレングスヘアーが綺麗な女の人だった。
どこか神秘的な雰囲気を感じる。
頬杖をつき、クルクルと指で髪をいじりながら、ジロリと視線を僕に向けてきた。
「一子よ。どうも」
「ぁ…どうも」
「次行っちゃって」
「ちょっとそれだけ?一言くらいなんか言ってよ」
「べつに、おそ子みたいにあたしがっついてないし」
「チッ」
ん?今どっかから舌打ちが聞こえたような…。
いや、そんなはず無いか。
だって、ここにいるのは全員清らかな女の子だもん。
ありえないありえない。
「ごめんねっ、一子って照れ屋だから気にしないで?男子がいて緊張してるだけだから」
おそ子さんが申し訳なさそうに謝ってきた。
「いえ、僕も少し緊張してるんで。徐々に仲良くなれたらいいなって思います」
「えーーっやさしーー!じゃあ十四子とも仲良くなろうよー!」
「は、はいっ!よろしくお願いします」
十四子ちゃんは……一昔前のシブヤにいそうな金髪ガングロヤマンバギャル風な女の子だ。
ケバいメイクに黄色いカラコン、露出度の高い白ワンピース。
…僕は思わず死語を列挙してしまい、心の中で悔いた。
「ねえねえ、主ちゃんってなんかあの俳優さんに似てるって言われなーい?若くてハンサムでイケメンでー」
「十四子、若くてハンサムでイケメンとかほとんどの俳優に該当するから。ほら、ビール来る前に紹介終わらせよう?次で最後ね」
おそ子さんがチラリと目配せしたのは、栗色のツイン三つ編みにベージュのベレー帽を被り、ピンクのカーディガンがよく似合う、ナチュラルメイクな可愛らしい女の子。
「えへっ、トド子です。男子1人になっちゃったのに来てくれてありがと!よろしくね、主くん」
「う、うんっ。こちらこそよろしく!」
僕が返事をすると、ふわりと微笑みかけてくれた。
か、かわいい…。
守ってあげたい。
この笑顔を腐った世の中から守りぬきたい。
これが俗に言う守護本能ってやつなのか!?
ってなわけで、第一印象はトド子ちゃんが1番僕のタイプだった。