第74章 ぼくだけの姫君 四男END
トド松視点
恐怖でしかない戦慄の十四松ビンタについては、敢えて触れないでおくねっ。
一松兄さんの話を要約するとこんな感じ。
『彼女を一方的に傷つけてしまった。子供だったと反省している。仲直り…したい…かも。もし許してくれなくても謝りたい。…どうすればいい?』
以上。
いや嘘でしょ!?
なにちゃんと恋愛してんの!?
悩みの次元がボクらと違くない!?
悩みが一軍様なんだけど!!
既読スルーごときで眠れぬ夜を過ごすボクはどうなる!?
なんて思わず取り乱しちゃったけど、実は嬉しかったりする。
兄さん達って完全に終わってると思ってたからさ。
いつも自分に言い聞かせてたんだ。
ボクが頑張らないとこの家終わるって。
死ぬほど羨ましいけれど、頑張って欲しいな。
せっかく、一軍への道を切り開く仲間が出来たんだから。
「で、酷いことって何したの?」
「……」
聞いてみたけど急に黙り込んじゃった。
「軌道修正出来るかどうか参考にしたいから教えて欲しいな?ねっ?」
両手をグーにして口元に持っていく。
かわいくおねだりのポーズ。
効果は……無かった。
お次はぷくっとほっぺを膨らませる。
「ねぇ、そんなに話せないほど酷いことしたの?まさかDVじゃないよね!?」
「DV…?」
え?もしかして図星?
それはヤバいよ一松兄さん…。
「DVっつーか、プレイの一環っつーか…」
(プレイの一環っ!!??)
五人は固唾を飲んで続きを待つ。
すると、一松兄さんは何かを思い出し頭を抱えだした。
「いや……言えねェ!言ったらあいつが可哀想だ!恥ずかしすぎるっ!」
(どんだけ恥ずかしいことしたの!!??)
言ってくれないとこっちの妄想止まらないんだけど!?
もうダメだ。
ボクの頭の中では、腹筋百回させて上体を起こすたびに出来たヘソのシワを舐め回すという、クソエロ拷問しか思い浮かばない…。