第74章 ぼくだけの姫君 四男END
十四松視点
「ちょっと…相談があるんだけど」
うーおー!
一松兄さんがぼくらに相談ってクソ珍しいね!!
なんだろう?
野球かな?
「どしたの一松〜?彼女と喧嘩でもして溜まってんのかぁ?」
おそ松兄さん、鼻ほじりながら下ネタとかマジ相談聞く態度じゃないよね!
「そういえば彼女とマトモに会ったのって、おそ松兄さんとカラ松兄さんだけじゃない?僕にも紹介してよ」
「って、ちょっと待ってー!一松兄さんがボクらに相談ってありえなくない!?人生初だよ!!??」
トッティの発言にぼくらは顔を見合わせると、
「ひいいいいーー!!!!」
身体を寄せ合い震え上がった。
「明日世界滅亡すんの!?ボクイヤだよ!童貞捧げてもいないのにっ!」
「落ち着けトッティ!人類が滅びる前に、とりあえずトト子ちゃんの所へ行って『帰りませんヤるまでは』作戦だ!一番は勿論長男の俺ー!!」
「お前ら相談聞く気ないでしょ…で?どどどどうした?いっ、一松っ?」
冷静を装ってるけど、チョロ松兄さんはチビっている。
「一松よ…やはり何か悩んでいたんだな?」
だよね!そーだよね!一松兄さんずっと元気なかった!
昨日ぼくが犬になって散歩誘ったら、「今日はやめとく」って初めて断られたもん。
よし、ぼくが聞いてあげよー。
「一松兄さん、話して?」
「……いい、話す気失せた」
あれ。
プイってしちゃった。
「騒いでゴメンね」
「もういいって」
「元気があれば何でも出来るっ!!」
—ベチーン!!—
「グフッ!!いっ、いきなり何すんだよ!?」
元気になって欲しくて、なんとなく猪○の真似をして闘魂注入ビンタをした。
「あっははー、元気になるまでやってあげる!はぁくいしばれーー!!」
—ベチーン!!—
「オブッ!?」
頬を押さえながら涙目になる一松兄さん。
「あっれー?まだ注入した方がいいかなー?」
「こわいこわい!!なんなのその感情無い感じ!?」
「じゃあ次はお尻ビンタしてあげるー」
「分かったよ!!話すからもうやめてーー!!」
よかった!元気になったって!!
猪○の燃える闘魂のおかげかな?
一松兄さんはすぐに相談内容を打ち明けてくれた。