第74章 ぼくだけの姫君 四男END
「い、いやぁっ!!今日はだめなのっ!赤ちゃん…赤ちゃん出来ちゃう!!」
「いいよ…たっぷりクズの遺伝子注いでやる…孕んじゃえよっ!!」
「っ……!!」
ビクンと中で一松くんのが脈打つと同時に、生暖かさを感じた。
息を深く吐きながら腰をグリグリと押し付け、奥に欲を吐き出される。
肉棒をグチャリと引き抜かれ、崩れ落ちる身体。
一松くんは地面に倒れたわたしを見下げ、ジャージを履き直すと背中を向けた。
一松くんが離れて行く。
手を伸ばしても、もう届かない。
——ごめん
微かに、そう聴こえた気がした。
けれどもう、彼はいない。
身体が動かない。
重たくて地面に沈んじゃいそう。
ねぇ、一松くん。
わたしじゃ駄目なのかな。
支えになれないのかな。
満たしてあげられないのかな。
心の傷を癒せないのかな。
わたしなんかじゃ——。
うずくまりながら、涙で地面を濡らし続ける。
少しだけ…帰ってきてくれるのを待つ自分がいた。
だけど、一松くんは戻ってこなかった。