第74章 ぼくだけの姫君 四男END
「ん…トートバッグを肩に…かけてたから…そのあざ……信じて…お願い…」
「……嘘つくな!」
「ん…っ!」
肩のあざにツンと甘い痛みが走る。
一松くんが強く吸い付きキスマークを付けてきた。
はだけた胸元へ手が伸びると、激しく胸を揉みながら先端を指で弾かれた。
心は今すぐ逃げ出したいのに、身体は彼を求めて熱くなってゆく。
声が出ないよう必死に唇を噛み締めれば、面白がるように何度も指がわたしの胸を虐めた。
「っ……あっ!」
「主はこうすれば感じるもんね?ヒヒッ…」
脚の間に一松くんの膝が入れられ無理やり脚が開かれると、スカートの中に入り込んだ手がショーツを引き下ろした。
胸への激しい愛撫のせいで、すでにそこはグッショリと濡れてしまっていた。
「はー…うまそ…」
「やだやだっ!もうやめてぇっ!!」
「泣いたって知らない」
一松くんはジャージを下げ、後ろから覆い被さる。
「ほら、壁に手をついて」
「どうして…一松くん…」
「いいから早くしろ!」
涙で視界がぐちゃぐちゃになりながら、言われるがまま壁に手をつくと、硬い一松くんのが一気に奥まで突き刺さった。
沢山一緒に過ごしてきて、なんとなく感じていた。
一松くんの中には、相反する二人の彼がいる。
愛情を素直に受け入れ、優しさいっぱいで包み込んでくれる一松くん。
愛情が欲しくて、飢えた獣のように求めてくる一松くん。
きっと今は、獣の一松くん。
不安にさせ、寂しがらせたせいで、彼の理性のタガが外れてしまっていた。
本当はとっても優しい人なのに。
とっても優しいから、その分傷つきやすく、脆い。
痛い。
苦しい。
心にナイフがゆっくりと突き刺さってゆく。
でもきっと、この痛みはわたしのじゃない。
一松くんは、わたしを傷つけながら自分自身も傷つけている。
もうやめてと訴えかけるように振り返り、彼を見つめた。
「アッハァ…!ゾクゾクする…その目…!」
ぐちゃぐちゃに中を掻き回され貫かれる。
「あ…っ…あぁっ!」
「そんなに声出すと聞こえるよ。あぁそう…聞かせたいの?」
「んんーーっ!?」
閉じようとした口に指を入れられ声が漏れてしまった。