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おそ松さん〜ニート達の裏模様〜

第74章 ぼくだけの姫君 四男END


「そういえば、ドッグショーの返事がまだですけど、どうします?店長のいとこが出るらしいんスよ」

「うーん、応援に行きたいけど忙しくて…」

「なんだったら、彼氏さんも連れてくればいいじゃないですか!俺、youさんの彼氏見てみたい!」


試しに、犬飼くんや店長と一緒にいる一松くんを想像してみる。

——うん、無理だ。

知らない人とお出かけとか高度すぎる。
会わせるにしても、徐々に段階を踏んでいかないと。


「彼氏連れてはちょっと無理かな。それにね、彼氏なら向こうの電柱からずっとこっちを見てるよ」

「え?電柱っスか?」


一松くん特有のオーラですぐに気がついた。
どうやら猫缶を買いに来てくれたみたいだけど。


「もしかして…負のオーラ全開な目で『コロス』と訴えかけてきてる、あの寝癖で猫背の男?」

「そ、そうです。はい」


タイミングが悪かった。

犬飼くんと話し込んでいる所を、バッチリ見られてしまった。

一松くんは、わたしと目が合うとお店に来るかと思いきや、そのままのそのそと帰って行った。


「youさんクールっス!!あんなにアナーキーな彼氏がいたなんて!」

「アナーキーって…。絶対意味分かってないでしょ」


きっと、一松くんはわたし達が話しているのを見て帰ってしまったんだ。

ヤキモチは自信のなさの表れ。

本当はもっと自信を持って欲しい。

わたしは——いつだって、どこにいたって、ずっと一松くんを思ってるのに。

伝わらないのがもどかしい。

寂しいよ…。


「あの闇を背負う感じがヤベーッス!夜とか激しそう!」

「そ、それは日によるかな」

「…お前ら、仕事中にいい加減にしろ」

「店長っ!すみませんっ!!」


とんでもないタイミングで店長に話を聞かれてしまい、二人で謝りながらレジへと戻った。


・・・


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