第73章 ※カラ松のお年玉
カラ松くんは、和気あいあいとはしゃぐ五人を見てフッと口角を上げた。
「おみくじ…か。やけにノリノリじゃないか、ブラザー!」
「えっへへー、だってだって、大吉引いたら主ちゃんがほっぺにチューしてくれるんだもんっ!ねーっ?」
「いてっ!」
トッティがカラ松くんを突き飛ばし、女の子みたいに腕を組んできた。
かわいくて本当に女友達みたい。
「ちょっと待てなんだそれ!聞いてないぞ!そんなのダメだ!」
「本人の了承を得たからいーの!んじゃ俺から引くよー」
「待ておそ松!嘘だろハニー?嘘だよなっ!オレ以外の男にハニーの唇を捧げるなんてっ!!」
カラ松くんがわたしの肩をユサユサ揺らす。
「あ、あのねっ、ダイナマイトにビックリしちゃって、つい…」
「まさか脅されたのかっ!?見損なったぞブラザー!!」
「かわいい主を脅すわけねーだろ!!そんなに心配なら、テメーの女くらいテメーで守りやがれっ!!」
「な…に…っ!?」
おそ松くんの一言に、カラ松くんは固まったように動かなくなり口を閉ざす。
わたしの肩からずるりと手が離れた。
「フッ…確かにおそ松の言う通りだ。デスティニーを守れず、何が恋人だ!何が狂った果実を味わった仲だ!」
狂った果実が何のことかさっぱり分からない。
誤解を招くような発言は控えてほしい。
カラ松くんは五人に指を突きつけ、真剣な眼差しでキッと睨みつけた。
「オーケーブラザー!いいだろう!女神の祝福争奪戦、受けて立とうっ!!」
「いや、そんなイタイ名前の勝負知らないけど」
…チョロ松くんがポツリとツッコミを入れると、みんな心の中で頷いた。