第10章 君の笑う頃に。
瑠那ちゃんとしばらく遊んでいると、
風真がやって来た。
少しムスっとして不機嫌。
「お兄ちゃん!」
瑠那ちゃんが笑顔で駆け寄るも、
やっぱり不機嫌
瑠那ちゃんはシュンとして戻ってくる
「どうしたの?」
と聞くと風真は不安そうに
「光琉には好きな人が居るの?
その人は俺より背が高くてカッコいいの?
俺は、相手にしてくんないの」
「...ふ、うま」
「ごめんなさい、ちょっと気になっただけ!!」
パッと明るく笑い、
風真は奥に転がってたサッカーボールを蹴る
私と瑠那ちゃんは
やっぱり気になってしまって。
楽しそうにする風真の姿も、
どこか切なく見えた。