第14章 燈る
えっ?水戸部…
以前、バスケ部の皆でアドレスを交換した事はあったけど、水戸部からメールなんて来たこと無いから驚いた。
水戸部は、あんな感じだから、電話はもちろんだけど、メールもしない人だと思っていた。
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From:水戸部
To :
Sub :お疲れ様
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今日は無理に嫌なことを話させてごめん。
気にしなくていいから。
不謹慎かもしれないけど、話してくれて嬉しかった。
だから、あんまり思い詰めないで欲しい。
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水戸部らしいな
メールはするんだ
なんて、ちょっと失礼な事を考えた。
【ありがとう。心配かけてごめんね】そう返すと、また受信音が鳴る。
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From:水戸部
To :
Sub :
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あと、いつも一人で帰るのは危ないよ。
毎日は無理だと思うけど、陽向が嫌じゃなければ、送れるときは送るよ。
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これも、心配性で優しい水戸部らしい。
でも、いつもの表情や身ぶり手振りで伝えるのではなく、《言葉》で伝えてくれている。
コガを介さない水戸部とのコミュニケーションの方法を見つけた。
【ありがとう。でも、水戸部と私は途中から方向が別れちゃうから悪いよ】
そう、返事をした。