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【黒子のバスケ】伝える。聴こえる。

第10章 開く


昼休み、リコと屋上にいた。
互いにお弁当を広げて話しはじめる。


「碧って、自己評価低いわよね」

入部前に、コガにも言われた言葉。


「もっと、自信持ちなさいよ。すぐうつ向く癖、治した方がいいわ。どんなに背中を丸めても背は縮まないんだから、背筋を伸ばす‼ホラ、猫背。気を付けなさい‼せっかくスタイル良いのに勿体ないわ!!」

「スタイル良くない…。リコみたいに細くない…」

「ただ細いだけがスタイルのよさじゃないのよ。女としての体つきの話をしてるの。要はバランスよ!バランス!その身長から考えても、碧はスタイル良いわよ!!」


「それよりね…」と、リコが続けた。


「入部してくれてありがとう。私一人じゃ、気がつかない事も多いのよ。料理も苦手だし…。だから、碧が居てくれて助かってるの。ありがとう」


思ってもない言葉に、目頭が熱くなる。

迷惑をかけるだけだと思っていたが、役に立っているとわかって嬉しかった。


「ちょっ、ちょっと、何泣いてんのよ」
リコが焦る。

「嬉しくて…」

私が呟けば、

「思った事を言っただけよ。これからもよろしくねって事」とリコが手を出す。握手を求めるように。

「うん」と笑って、その手を握った。
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